【抗ヒスタミン薬】子供の鼻風邪に、鼻水止めの薬は使わない方が良いって知ってた?

 鼻水
 
子供が風邪をひいて、咳や鼻水がたくさん出て寝られない!これは小児科で診てもらわないと・・・ってことで受診したら、お薬に鼻水止めが入っていない!
 
 
『なんでこんなに鼻水出ているのに、鼻水止めを処方してくれないの?』って思ったことありませんか?
 
 
実は、最近の小児科では、ある理由から風邪での鼻水止めとして使用する『抗ヒスタミン薬』を処方しない傾向にあるんです。
 
 
小児科で鼻水止めを処方しない理由と、風邪で鼻水が詰まってしまった場合の対処法をまとめました。
  
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1.風邪を引いた→鼻水止め『抗ヒスタミン薬』は不正解?

“鼻水が出たら止める”と思っている人って多いですよね。実は最近、小児科においては抗ヒスタミン薬が鼻水止めとして使用されなくなってきています。
 
 
それはなぜか?
 
 
理由は、『熱性けいれんリスクの上昇』、『子供の神経発達への悪影響』、『鼻水を止める(固める)ことによる鼻水の長期化』にあります。
 

1-1.脳内移行性の高い抗ヒスタミン薬は、熱性けいれんのリスクを上げる

熱性けいれん
 
抗ヒスタミン薬って、”鼻水止めの薬”や”抗アレルギー薬”としてよく使われていますが、これを飲むと大人の人でも眠くなることがありますよね。
 
 
この眠気は抗ヒスタミン薬の副作用で、抗ヒスタミン薬が脳に移行して作用しているからと考えられています。鼻水がつらそうな子供も、抗ヒスタミン薬を飲んだらよく寝るって話もありますが、これ副作用だったんですね。
 
 
 
そして、脳内移行した抗ヒスタミン薬は、痙攣の閾値を下げることが『日本神経学会「てんかん治療ガイドライン2010追補版[2014年度]』にも記載されているのをご存知でしたか?
 
 
さらに子供においては、熱性けいれんのリスクを高めるという研究報告もあります 。
 
 
その1つがサウジアラビアでの研究報告で、抗ヒスタミン薬を服用していた子供は、服用してない子供と比べて、けいれんまでの時間は有意に短く、けいれんの持続時間は有意に長いことが分かったと書かれています(Zolaly MA. Histamine H1 antagonists and clinical characteristics of febrile seizures. Int J Gen Med. 2012;5:277-81.)。
 
 
簡単にまとめるとこういうことです。
 
熱性けいれん抗ヒスタミン薬

 

1-2.子供の脳神経発達にも悪影響?

勉強中に寝る女の子
抗ヒスタミン薬は、脳内に移行することで眠気などがでてしまい、集中力や学習に支障が出ることが知られています。
 
 
さらに、脳神経系の発達途中である乳幼児期・学童期において、悪影響を与える可能性があるので気をつける必要があるんです
学童期の患児へ抗ヒスタミン薬を投与する場合,学習能力や勉学能率の低下にも注意する必要がある(文献5)。脳血管内皮細胞のP糖蛋白と同様にワーキングメモリ(作業記憶)も12歳頃までに急速に発達する(文献6)。 発育途中の脆弱な脳を持つ小児期に抗ヒスタミン薬を長期に使用する場合は,悪影響を及ぼす可能性を危惧して(文献7) ,脳内へ移行しにくい新しいタイプの抗ヒスタミン薬(アレグラR,アレジオンR,ザイザルRなど)を選択することが望ましい(文献8)。
*文献5: 片山一朗, 他:アレルギー免疫. 2010;17(3):456-68.
*文献6: Gathercole SE:Trends Cogn Sci. 1999;3(11): 410-9.
*文献7:辻井岳雄, 他:Pharma Medi. 2007;25(5):102-7.
*文献8:新島新一:医療ルネサンス. 読売新聞, 2014年7月28日.
(引用:日本薬事新報社
詳細は後で書きますが、どうしても薬が必要な場合は、脳内移行の少ない抗ヒスタミン薬の選択が必要です。
 
 

1-3.抗ヒスタミン薬で鼻水が固まりやすくなる

固まり
アレルギー性鼻炎に使う抗ヒスタミン薬を、鼻水の分泌を少し減らす効果を期待して処方することもありますが、有効性は乏しく鼻水の粘張性を増やしてしまうこともあります。(引用:あおきこどもクリニック
このように、抗ヒスタミン薬を服用すると、子供では鼻水の粘張性を増やす(鼻水を固める)ことがあるようです。
 
 
抗ヒスタミン薬自体に鼻水をねばねばにする作用は無いですが、おそらく鼻水が固まる理由として、鼻水が止まったとしても鼻をかめない子供の場合、乾燥することで奥に溜まった鼻水の粘度が上がるためではないでしょうか。
 
 
良かれと思って子供に鼻水止めを使用して、逆に鼻詰まりを長引かせるかもしれないということですね。
  
 

1-4.なぜ今まで脳内移行性の高い抗ヒスタミン薬が用いられてきたのか?

あれ出しといて
子供の鼻水止めとしてペリアクチンという薬がよく処方されます。
 
『アスベリン(咳止め)、ペリアクチン(鼻水止め)、ムコダイン(痰切り)』という3点セットですね。小児科に受診して見たことある方もいるのではないでしょうか?
 
 
ペリアクチンは、脳内移行性の高い抗ヒスタミン薬です。 
 
 
ふと、『なぜ、まだペリアクチンを使う医師がいるのかな』と思って色々調べてみると、『アイキッズクリニック』さんのブログにその歴史などについてわかりやすく書かれていました。
「アスベリン・ペリアクチン・ムコダイン」

風邪のお子さんを連れて病院を受診したことがある方なら何度か見たことがある組み合わせではないでしょうか?

小児科医的には
「アス・ペリ・ムコ」
ですかね?
小児科、耳鼻科、内科、総合病院、どこへ行っても同じ処方。
こどもの風邪薬と言ったらこの処方。
さぞかし評価の高い薬?と一般の人だと思ってしまうかもしれません。
まー正直言って大した薬ではありません。
いや、意外に要注意な薬です。
 
(中略)
僕自身はこどもに第一世代の抗ヒスタミン薬自体を使いません。
・ペリアクチンの無呼吸を何度か経験したこと
・第一世代抗ヒスタミン薬はけいれんを誘発すること
・ペリアクチンの抗セロトニン作用に抵抗があること
以上の理由で第一世代抗ヒスタミン薬を使っていません。
いっぱいいろんなことを経験して成長していく乳幼児期に風邪薬で脳を抑えちゃうのは良くないですね。
僕はじんましんの時、鼻水がひどくて寝つけない時だけ頓服で第二世代抗ヒスタミン薬を飲んでもらうよう指導しています。
鼻水が出ていても食欲があって元気に遊ぶ子は大丈夫です。
こども自身の治る力を伸ばしていきたいですね。(引用:『アイキッズクリニック』
 
抗ヒスタミン薬「ペリアクチン」は、1971~1996年までの25年間もの間、鼻水を抑えるだけでなく、「食欲不振・体重減少の改善」の効果も期待されて小児科で頻用されてきたとのこと(今は効果がないとされて添付文書から削除済み)。
 
 
しかし、今まで使用していたからすぐには変えられないという医師がまだまだいるのでしょう。
 
 
医療の現場において、今まで使ってきたからっていう理由だけで、まだ漫然と使用されている薬があるという事例の1つですね。
 
  

2.風邪で鼻水が詰まったときは、鼻水を吸ってあげることが一番!

子供の鼻詰まりで困っているなら、最も良い方法は鼻水を吸いとってあげることです(少々原始的ですが、コレが一番)。
 

2-1.耳鼻科または、自宅での鼻吸い器を活用しょう

 鼻水吸引
鼻水で寝付けない!なんてときは、鼻吸引(鼻吸い)をして鼻水をとってしまいましょう。
 
耳鼻科で鼻吸いをしてもらうのもおすすめです。しかし、なかなか毎日耳鼻科にいくことも難しいですよね。
 
 
そこで、自宅で鼻吸い器を使って毎日鼻水を取ってあげると、あら不思議!自然と子供の寝付きも良くなって、鼻風邪も治っていきますよ。
 
 
我が家でも電動鼻吸い器を使って、子供の鼻水をとっています!
 
 
電動鼻吸い器を購入したレビュー記事も書いていますので、参考にしてください。
 
 

関連記事 【子供の困った鼻水に】電動鼻吸い器『メルシーポット』で鼻水吸引がラックラク!これはもう手放せない・・・

  

2-2.それでも薬が欲しい場合は何が良い?

抗ヒスタミン薬
 『鼻水と吸引するのはよく分かるけど、どうしても鼻水止めの薬を処方してもらいたい』という方もいるでしょう。
 
 
では、子供に対して比較的安全に飲ませる事ができる抗ヒスタミン薬が無いかというと、そうでもありません。
 
 
脳内移行性の低い抗ヒスタミン薬を選択することが必要です。
 
 
抗ヒスタミン薬の脳内移行性から見た、安全性についての一覧を作成しました。
 
脳内移行性 子供への安全性 薬品名
少ない 安全性が高い アレグラ、ザイザル、アレジオン
中程度 比較的安全 クラリチン、ジルテック、タリオン、アレロック
ニポラジン、ゼスラン、アゼプチン
高い 熱性けいれん誘発
リスクあり
ペリアクチン、ポララミン、テルギンG、アタラックス
セルテクト、アレルギン、レスタミン、ヒスタール
タベジール
 
アレグラ、ザイザル、アレジオンあたりが子供には使いやすいようですね(特にアレグラ、ザイザルは6ヶ月の赤ちゃんから保険適応が有ります)。
 
 
しかし、子供の状態を診察してから使用できるか判断が必要なので、医師と相談して決めましょう。
  

3.まとめ

鼻をかむ子供
“鼻水が出たら止めるもの”と思って薬を処方された患者さんが、薬局で鼻水止めの薬は入っていないと説明を受けると『鼻水止めの薬を追加して』とおっしゃることは多いです。
 
 
そして、薬剤師が「鼻水は止めずに出したほうが最終的に早く治りますよ」と説明しても聞き入れられないことが多いんですね。
 
 
むしろ、それで患者さんとモメることもあるという話も聞きます(患者さんの『困っているからどうにかしたい』という気持ちはわからんでもないですが)。
 
 
原始的な方法ですが、鼻水を一番早く止める方法は、出てきたものをさっさと吸い取ってあげることなんです。そして、子ども自身の治る力を伸ばしてあげましょう。
 
 
ぜひこれを期に、子供が鼻水で苦しんでいるときの参考にしていただけたら幸いです。
 
 
 
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